「生きる」ということ


店主(=母)は80才になります。

80年と言えば長い年月で、一瞬の虫たちに比べれば

どれだけ長い年月を生きてきたんだろうと思います。

その数字には足りないですが、

自分を振り返っても色々な事が有りました。

でも、なにより大切なのは「今」です。


「病人」が店内にいる美容室…奇妙です。

病気を抱えてから、

長年取り組んできた趣味の「絵手紙」も

そして「囲碁」も手につかなくなりました。

好きな事に取り組めない歯がゆさは

病人を抱えるようになって

少なからず僕も実感しています。


そんな気持ちの状態でもお客様に会って、

一言お話ししたい

つい先日まで現役の美容師だった母には

「仕事をする事」は

趣味以上に大切な事でした。

美容師の仕事は、髪形を仕上げる事だけでは有りません。

お客様とお話しして、

もちろんたわいもない内容ですが

母の仕事が良いと言って訪れてくれるお客様は

母の人柄に惚れて、みえてくれます。

誰にでも直ぐに好かれる

「元気印のさっちゃん」でした。


今後の事についてはふれませんが

トイレに入るたびに

元気な時に書いた母の絵手紙を見ています。

その時はなにげない気持ちで書いた文章が

ささやかな願いが

今は母に訪れてほしいと願っています。

ささやかな「楽しさ」でもいい

誰かと一言二言話せただけでもいい。

母にとって大切な「一日」が

実りある一日になって欲しいと願います。

母は「今」を生きています。

sophia

自称『湘南』(≧ω≦。)丿彡平塚の地域密着型美容室 (≧▽≦)/